英語教育とプログラミング教育、どっちを子どもに習わせるべき!?< 後半>
前回の記事で英語とプログラミングのどちらを子どもに先に習わせるべきか? について、その答えとして、英語がおすすめである理由を2つほどお伝えしました。
→前半のURLhttps://www.qqeng.com/qqkids/chiebukuro/english-and-programming1
■英語とプログラミング、どちらを習わせるべきなのか
理由3:英語を身につけることで他の言語の習得が楽になる
これから先、仕事などで必要に迫られて英語以外の言語を学ぶことになった場合でも、英語を学んだ経験が土台としてあれば外国語学習の経験がない場合よりも楽になります。
また、言語によっては英語の単語と非常に良く似た単語を多数持つものがあります。また、同じ言語体系に属する言語でなくても、英語と同じあるいはそれに近い語順を持つ言語もあります。こうした言語を学ぼうとした時に英語の学習経験は非常に役立ちます。
例えば、英語とよく似た単語を持つ言語であれば、すでにある英語単語の知識を活用することで、一気に語彙を増やし、少ない時間で膨大なボキャブラリーを自分のものにすることも難しくはありません。同じように、語順などの文法面での共通点がある言語に挑戦しようとした場合、読解やリスニングの際に初心者でも意味を取り易くなりますし、スピーキングに関しても文章を組み立てることが容易になります。
また、英語とは繋がりのなさそうな言語を学ぶ時であっても、英語の学習経験は大いに役立ちます。言葉をどのように覚えていけば使えるようになっていくのか肌感覚で知っているためです。
言語が使えるようになっていった感覚と経験がすでに自分の中にありますから、それをなぞっていけば、まったく外国語の学習をゼロからスタートする場合と比べて、はるかに楽に学習を進めていくことができるのです。
このように、英語の知識があることで少ない労力で複数の言語を修得することも可能となるため、早期に英語を習い始めるメリットはかなり大きいといえるでしょう。
理由4:英語を学ぶことでも論理的思考力は養われる
注目して頂きたいのは、先ほどもお話しした通り、今回の学習指導要領が目指すものはプログラミングの技術ではなく「プログラミング的思考」であるという点です。
つまり、論理的思考を養うことをその目的としているわけです。
しかし実は、この論理的な思考というのは英語を学ぶことでも養うことができるのです。
英語という言語の特性上、学んでいく過程で、自分の思考を整理した上で筋道を立てて説明すること、結論を述べて理由を挙げていくことなどが自然とうまくなっていきます。
もちろん小学校のうちにこれらをマスターしなくてはいけないわけではありませんが、英語を学んでいけばやがてこうしたことまで自然と身についてくるのです。また、プログラミング学習と異なるのは、英語を学ぶことは、論理的思考と共にコミュニケーション能力も身につけられることです。ある意味、プログラミングの学習よりも費用対効果が高いといえるのではないでしょうか。
文化の異なる相手であっても、意見を伝え、心を通わせ、そして理解し合うという真のコミュニケーションスキルや、論理的に思考し言語化できる力は、国際化・多様化する社会においては大切なスキルです。それを獲得するための基礎を早期に作っておくことは大きなアドバンテージとなるでしょう。このことも英語を学んだ方がよいと考える理由のひとつです。
■将来的に英語の学習は必要なくなるのか
上で、英語力は時代の変化に左右されないスキルだとお話ししました。しかし、英語は今後学ぶ必要がなくなると主張する声もあります。それが本当だとすれば、わざわざ英語を習わせる必要はなくなりますよね。そこでこの件について少し考えてみることにしましょう。
英語を積極的に習う必要はないとする立場の人は、テクノロジーの発達をその主張の根拠として挙げます。
翻訳アプリやデバイスの発達によって外国語のスキルは不要になるという意見です。つまり、技術の発達により、英語をはじめ外国語を身につけなくても他の言語を使う人たちと意志疎通が図れるようになるというのです。
確かに、翻訳・通訳の 進歩には目を見張るものがあります。精度も自然さも一昔前とは比べようがないくらい向上しています。「将来は便利な翻訳の機会のお陰で言葉の壁はなくなるよ」と言われたら、一昔前ならば荒唐無稽な話として一笑に付されたでしょう。しかし、現在では多くの人が実現可能性の高い話しとして捉えるはずです。
ただ、だから外国語を学ぶ必要がなくなるかといえばそれは甚だ疑問です。
英語を学ぶことで将来の選択肢が増えることはいうまでもありません。今後どこまで技術が発達するかは誰にもわかりませんが、外国語を学ぶ必要が全くなくなるというレベルにまで達するにはまだしばらく時間がかかるはずです。今後日本国内の外国人人口が増えていくことを考えても、国際語である英語は身につけておいて損はありません。
■英語でプログラミングを学ぶという選択とそのメリット
しかし保護者の本音としては、英語とプログラミングそのどちらも身につけてほしいと思うところでしょう。
両方習わせることが得策かといえば必ずしもそうとも言えません。親にとっては、金銭的な負担が増えることになりますし、子どもにとっては、心理的な負担が増える可能性があります。
特に現在はコロナ禍による生活の変化で子どもたちは知らず知らずのうちストレスを受けています。一度に複数の新しいことを始めさせることには慎重になった方がよいかもしれません。それがプラスに働くのであればよいのですが、新しいことを始めることで新たなストレスになってしまうおそれも大いに考えられるためです。
そうした負担を軽減させながら、どちらにも触れることができる方法として、英語でプログラミングを学ぶという選択もあります。
プログラミングスクールでも英語でプログラミングを学ぶコースを用意しているところがありますし、英会話スクールでもプログラミングを同時に学ぶコースを開講している所があります。これを活用していくという選択です。
これは英語とプログラミングを別個に学ぶのではなく、あくまでも英語学習の一部として、プログラミングに触れるという学び方です。ですから当然、上で挙げたような負担は減らしつつ英語とプログラミング、その両方に触れる機会を得ることができます。
「英語を使って何かをする」経験を得られることです。これは、成功体験となり大きな自信に繋がります。
初めて外国の言葉を学ぶ子どもたちにとっては、英語で挨拶ができた、短いフレーズが通じたというだけでも大きな喜びを感じ自信となるものです。自分は英語で何かをすることができたという経験から得られる自信がそれ以上のものとなるのは想像に難くありません。
ただ、英語のフレーズを教えてもらってそれをただ口に出して練習したり書いたりするよりも、実際の生活の中でツールとして外国語を使うことになります。そうした場面では、「イメージ」や「感情」といった外国語を自分のものにするために日数の要素があるので、定着しやすいのです。
■さいごに
この記事では、英語とプログラミング教育についてお話ししました。
英語教育もプログラミング教育も始まったばかりで、教育現場でも試行錯誤の段階でしょう。それに加えて今はコロナ禍による制約もあります。
保護者にとっても気がかりなことも多いと思いますが、今回の英語・プログラミング教育の導入が、親子で英語やプログラミングに親しむきっかけとなれば、子どもの世界もまた広がることでしょう。
さびねこ
【自己紹介】
英検1級取得後、英語講師を経て、フリーランスで翻訳・ライティング業務を行う。
【英語力・指導経験】
都内の大学(法学部法律学科)大学在学中に英検1級に独学で合格。
その後、英会話スクールにて、幼児クラスから、小学生向けクラス、そして、高校生・社会人クラスと一通り担当。
独学で英語をマスターし他経験、指導経験から、学習者としての視点と指導者としての視点双方から発信しています。
【資格およびスキル等】
・英検1級・法律英語
・スペイン語、イタリア語、インドネシア語会話(まだ初級~中級レベル)

